お知らせ

【お持ち込み縫製】受付と縫製価格の改定につきまして

2023年4月3日

日頃より染織こだまをご愛顧いただきありがとうございます。

2023年度より、縫製価格の改定を行います。

これに先立ちまして、一定期間、従来価格にて縫製を受付いたします。

期間:2023年4月11日お手元発送分まで

料金:従来通り(弊店お買い上げ商品以外はお持ち込み料が税込3,300円プラス)

納期:5月いっぱいでのお届け見込み

手順:縫製希望品を着払いにて染織こだまへ送付、メールでその旨をこだまに連絡、受注返信、精算、縫製、納品
・寸法および仕様を必ずお知らせください(広衿orバチ衿、居敷当有無、半衿・衣紋抜き有無・単or袷)

新たな縫製価格は、代表的なものが下記の通りとなります。

単衣手縫い仕立て 33,000円
水通し 2,200円
並幅居敷当 1,100円
綿ローン広幅居敷当 2,200円

 

染織こだま代表としての思い

染織こだまは、カジュアル着物専門店として20年来営業をいたしております。
皆様に着物の楽しさをお伝えすべく活動する一方、各地で製造される木綿や麻、ウール等の製造について、
力及ばず表舞台を去って行かれる場面や失われていく着物も数多く見送ってまいりました。

着物小売店の経営者としてだけでなく、いち着物ファンとしても寂しい思いです。

では、このような思いを経た今後、私たちが力を注ぐ分野はどこなのか。

一つは懸命に未来を拓いていこうとする仲間たちが生み出すカジュアル着物製品
そして、布が着物になるために欠かすことのできない「和裁」だと思いいたりました。

伝統を支える、技術を継承するとは言いますが、それは同時に「暮らしを支える」ことです。
技を持つ方々と互いにリスペクトし合い、お互いの暮らしを支えることなくして未来は望めません。

染織こだまを支えてくださる地元宮崎の和裁士さんの後進をいかに得、いかに育ってもらえるかを考えた時、
その大きな答えは直接雇用にあると考えました。

しかしながら、諸税、社会保障費や諸物価の上昇を思えば、これまでの縫製価格では雇用はかなり厳しく、
10年後20年後といった将来にわたって生活の基盤となることが困難であると判断するに至りました。

今や、和裁という職業を知らない若い世代がほとんどを占めます。
たとえご本人がこの道を思い立っても、学校や家族の反対も少なくなく、インターネットで調べましても、
かけがえのないやりがいを感じる一方、経済的な側面や労働条件から諦めてしまう例も多いと聞いております。

であれば、その思いの受け皿の一つとして、小売店の立場ではありますが、出来ることを突き詰めていった
結果、販売員としての和裁士だけでなく、縫製者としての和裁士が働ける場所を目指すという結論に至りました。

幸い、今なら経験豊富な和裁の諸先輩たちが、身近にあって支えてくださいます。
こうした環境や機会を生かすためには、新たな取り組みに、自分自身が恐れず踏み出すと心に決めたところです。

これまで、価格改定が必要だとは感じておりましたが、他の多くの業種と同じく、値上げは大変怖いものです。
コロナ禍にあたり、何度も諸価格の改定を考えて参りました。
しかし、先代の<カジュアルである以上、価格はなるべく抑えて提供したい>を尊重したいという思いや、
私自身の甘さである<これまで通りで行けるなら、変化をしたくない>という気持ちがわだかまったまま、
数年を過ごすことになりました。

別稿にも書いておりますが、それは同時に、「私たちは未来のためにこう進むのだ」という意志を掲げ、

会社をけん引する事すらも十分にしてくることが叶わなかったのだと、そう自分自身の経営を振り返っております。

着物という楽しい世界の中で、誰かが一方的にしわ寄せを受けることは無くすべきだし、未来を描くなら明るい方が良い、このような思いで進めて参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

染織こだま 代表 児玉健作


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